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お名前: 金澤 旭宣先生(1989年卒) |
所属施設: 島根県立中央病院 |
島根県立中央病院 は、島根県出雲市姫原町にある山間部から海沿いまで非常に広い範囲の地域の医療を支えている施設です。
非常に広範囲の地域の医療をカバーしているため、当然ですが患者さんの層も若い人から高齢者までバラエティーに富んでいます。
もちろん症例も「消化管穿孔」や「緊急手術を要する疾患」「食道胃大腸などの消化管癌」さらに「肝臓や膵臓」など、日常的な疾患から専門性が高い疾患まで幅広く対応していますね。
このような幅の広い医療の提供というのは、 島根県立中央病院 以外の近隣施設では、対応することが難しいのが現状です。
つまり 島根県立中央病院 が、この地域の最後の「砦」のような病院になっています。
そのため高度医療を自分たちで提供できるような、体制作りをしています。
現在の 島根県立中央病院 は、山陰地方で唯一「高度救命救急センター」そして「地域がん診療連携拠点病院」としての機能を持つ施設です。(2019年時点)
「救急」と「がん医療」を中心とした高度医療を実現しようとしているので、非常に多くの症例が集まってきますね。
たとえば、外科(乳腺外科を含む)だけでいいますと年間で700以上の症例を集める、ハイボリュームセンターです。
もちろんこの症例は外科だけが集めているわけではなく、 島根県立中央病院 の特徴の一つでもあるドクターヘリがあります。
ドクターヘリの活躍で、島根県全体の救急患者をカバーしていることも症例を集めている一つの要因ですね。
ですので、外科医としてはもちろんですが・・・
将来は外傷など「救急」にも対応できるような医師になりたい先生方にとって「救急」の体制がしっかり整っていて、なおかつ十分な症例を経験できる 島根県立中央病院 は、良い研修先になると思いますよ。
救急に充実していて、外科症例がたくさん集まる施設・・・・などと聞くと、非常に忙しいと思いますよね?
当院は、勤務支援体制が整っているので安心してください。
たとえば患者さん一人に対して、主治医と担当医を1~2名つけるので、たった一人で複数の患者さんを診るという負担は少なくなっています。
さらに入院された患者さんは、スタッフ全員でカンファレンスを行い、密に連携することで全スタッフが全患者さんを診ることが出来るスタイルを導入していますし、週末や休日は待機制にしていますので、忙しい中でも自由に使える自分の時間を確保することが出来ていますね。
そして院内には、24時間保育施設が併設されているので、子育て世代の先生方にも働きやすい環境だと思いますよ。
実際に 島根県立中央病院 外科・乳腺外科には、4名の女性外科医に勤務しているので、女性の先生方も働きやすい環境なのだと思います。
島根県立中央病院 は、京都大学外科専門研修プログラムの関連施設でもありますが、当院が基幹施設となり「島根県立中央病院外科研修プログラム」を実施しています。
先程、当院の特徴として「救急」や「がん専門」の施設として、高度医療を提供することを目指しているとお話しましたが、高度医療を提供するためには当然ですが、日常的な「ヘルニア」や「胆石症」などの良性疾患を確実に対応できなければなりません。
その点で 島根県立中央病院 は、外科医を目指す専攻医の皆さんが初期の段階で経験すべき症例もたくさんあるので、症例に偏りなく安心して外科専門医研修を行うことができます。
その上で、高度医療に対応できるように、内視鏡手術システムやハイブリッド手術室・化学療法・放射線治療などの最新治療設備を利用することができるので、一つの施設内で幅の広い治療方法を経験できるのも良い点だと考えています。
もちろん「島根県立中央病院外科研修プログラム」には、当院以外にも充実した外科研修を送ることが出来る10の連携施設があります。
連携施設の中には、大学病院や市中病院さらに山間部や離島の病院など、非常に多種多様な連携施設があります。
将来の外科医としてのキャリアパスを考慮し、専攻医のみなさんの希望を確認した上で、修練施設を決定しています。
そして専攻医終了後には、京都大学・島根大学・鳥取大学などの外科関連施設での勤務やそれぞれの大学院の進学も、本人の希望に合わせてサポートさせていただいています。
外科専門研修終了後のキャリアパスが充実しているのも「島根県立中央病院外科専門研修プログラム」の特徴ですね。
手術手技や治療薬などは、日進月歩で毎年のように新しいものが開発されています。
外科医として、それらを一早く取入れ身に着けることは重要ですが、人の身体に関する「解剖学」や「生体機能」といったものが大きく変わるわけではありませんよね。
最新の手術手技や治療薬は、技術者として学ぶ必要がりますが、医師として人として「病気に立ち向かう姿勢」を忘れないようにすることが、外科医に求められている非常に重要なことだと考えています。
そのような姿勢の下で、症例経験を積んでいくことが長期的に見ると、外科医として大きな飛躍につながると信じています。
外科医としての具体的な成長方法の一つとして「学術活動」を挙げることが出来ると思います。
学会発表や論文発表などの「学術活動」を通じて、問題点へのアプローチや考察の方法論など多くを学ぶことができます。
なにより学会発表などは、様々な人の前で自分の考え方を評価してもらう機会になるので、医師として大切な、より客観性の高い考え方を学ぶことができるのではないでしょうか?
この点で当院は、1999年から導入した電子カルテシステムのお陰で、診療情報検索が簡単にできますし、治験管理室の設置や新規治療開発などの臨床試験も積極的に行っているので「学術活動」を行う環境が整っています。
島根県立中央病院 に来られる先生方には、ぜひ積極的に学会発表や論文発表を行ってほしいですね。
最新の手術手技や治療薬を学んで、自分の中だけで納得して完結してしまう・・・
そんな「井の中の蛙」になってしまったら、もう後は下り坂しかありませんからね。
外科医として最前線で働く期間は、一般的な定年までの期間で考えると40年程度になると思います。
若い先生方には長く感じられるかもしれませんが・・・
過ぎてきた者の感想としては、本当に「あっ」という間です。
その「あっ」という間の期間を、より懐の深い外科医として充実した期間にするためにも、今の外科医としての修練を開始する時期に、幅広い経験を積むことが何よりも重要だと思います。
幅広い症例と充実した設備を有する 島根県立中央病院 は、なにより最適な施設だと思います。
ぜひ我々と一緒に良い外科医療を作っていきましょう!