2023年1月21日、22日の2日間、京都大学外科交流センターに所属する後期研修医、
大学院進学前の修練医を対象に「後期研修医・若手外科医向け2日間webセミナー ~観察研究のイロハから実践まで~(略称:イロハ セミナー)」を実施しました
イロハ セミナーでは、自施設の過去に治療データを用いて、観察研究の学会発表ができるように・・・
- 臨床研究デザイン
- 生物統計
- 文献検索方法
- 抄録作成法
などの基礎から発表までの実践方法が、2日間のイロハ セミナーで説明されました。
当日の内容
当初は8名以内の参加者を想定していましが、臨床研究を学びたいという熱意を持った若手外科医から多くの参加希望をいただき、参加募集は途中で停止するほどの人気でした。
当日は、卒後3年目から7年目の計11名の若手外科医が参加し、講師・ファシリテーター4名で以下のプロプラムを1日3時間ずつ、計6時間実施いたしました。
イロハ セミナーは、ZOOMを用いて実施し、九州、中国地方、北陸、近畿と様々な病院に所属する参加者が、移動の手間なく参集することができました。
また卒後年数順に参加者を3つのグループに分け、同世代の外科医同士でグループワークをブレイクアウトルームで行いました。
Google Jamboardを用いて、胃癌や大腸癌患者を対象にした後ろ向き観察研究を各グループでディスカッションし、臨床研究を立案しました。
最後は、各グループ毎に発表を行って、講師陣と参加者で改善点を話し合い、盛況の下にイロハ セミナーを終了致しました。
1日目 プログラム
- レクチャー1:臨床研究のデザイン
- レクチャー2:文献検索の方法
- グループワーク1:曖昧な臨床疑問を研究疑問に変換する
2日目 プログラム
- レクチャー4 生物統計とソフトの使い方
- グループワーク2 因果関係を歪ませる第3の因子を考える
- 発表会
- ミニレクチャー 抄録の書き方
WEBセミナー 開催後のアンケート
2日目に参加できなかった1名を除き、計10名全員からアンケートの回答をいただきました。
参加者全員から、多くの学びの機会を得たとのご回答をいただいたとともに、「時間的、金銭的コストなく参加できたでよかった」そして「同世代の外科医との交流が刺激になった」とのご回答をいただきました。
その他のアンケート結果の一部を転載致します。
イロハ セミナー満足度
イロハ セミナー難易度
イロハ セミナー難易度を変えた方が良いでしょうか?
イロハ セミナー参加者からのコメント
- 大変勉強になる2日間でした。日々の臨床で手一杯で研究は何をすればいいのかもわからないため、疎かにしていました。今回のセミナーで同世代の先生方とディスカッション出来て刺激になりました。また、ディスカッションそのものもあれこれ頭を巡らせるのが楽しかったです。日常のCQを研究テーマに繋げる感覚を体験出来ました。ありがとうございました。
- 2日間ありがとうございました。PICOの考え方、文献検索、統計と非常に濃い内容でした。グループワークもあり、参加型のセミナーで非常に勉強になりました。
イロハ セミナー講師・ファシリテーター陣からのコメント
- 外科医が若い時に感じる臨床疑問、患者さんへの想い、手術手技や術後管理で時に感じるじくじたる思いは一生ものです。
臨床疑問を研究につなげようと熱い思いを持って、休日の2日間に自発的に参加してくれた若手の先生方に、まず最大限の敬意を表したいと思います。
そして、そうした若手に教育の機会を提供しようとご尽力いただいた小濱教授、肥田准教授、藤田医員、院生の所・藤井の両先生、そしてご支援をいただいた交流センターに心より感謝申し上げます。
若手がもっと活躍できる外科の未来を創ることができるように、小濱教授のリーダーシップの下、様々なプロジェクトに挑戦をしていく所存です。今後ともよろしくお願い致します。
- 京都大学消化管外科 ・医療安全管理部 助教 錦織達人
- 今回、錦織先生が発案してくれた上記セミナーにスタッフとして参加させていただきました。
「イロハ」がよかったようで、やや難しいけれどもやりがいがあったと感じてくれたようです。
臨床研究についての知識はまだまだ少ない参加者が多かったと思いますが、その熱意はとても強く、みんな活発なディスカッションをしてくれていました。
今回僕の偏見で最優秀グループ賞を若手のグループにさせていただきましたが、3グループともとても積極的でよかったと感じました。今後の京大外科若手の成長に期待しています。
イロハ セミナーへのお問合せ
第2回目の実施については既に多くの希望をいただき、開催を検討しています(時期未定)。
他に参加を希望される卒後10年目以内の先生がおられましたら、以下へご要望をお伝えいただきますようにお願い致します。