2019年4月 岡山大学病院 |
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お名前: 守山 雅晃先生(2019年卒) |
所属施設: 医仁会 武田総合病院:2023年5月31日時点 |
この度、第21回日本ヘルニア学会学術集会において『支部演題賞』を受賞させていただきましたため、ご報告差し上げます。
今回の発表は、昨年開催された関西ヘルニア研究会での演題が、本学会の支部推薦演題に推挙されたものです。
ちなみに支部演題賞を受賞までには・・・
上記の流れになっており、私は【CPIPに対するメッシュ除去後 鼠径部修復の有無の検討】という演題名で発表を行わせていただきました。
鼠径ヘルニアの手術は、若手外科医が執刀する機会が多く、「アッペ・ヘモ・ヘルニア」と称され、「簡単な」手術と認識されることが多い印象です。
しかし稀ではありますが、恐ろしい合併症の一つとして「鼠径ヘルニア術後慢性疼痛(CPIP)」が挙げられます。
CPIPは外見では分からず、良性疾患であることや本人の自己申告のみであることも相まって周囲の理解が得られず、社会的に孤立してしまうことがあり、QOLを大きく損なうものです。
現在、本邦で行われている鼠径ヘルニアの手術は、そのほとんどがメッシュを使用した根治術であり、そのメッシュが原因で発生したCPIPでは、メッシュを除去しないと改善しない場合があります。
CPIPに対するメッシュ除去はまだ珍しく、なかなか経験することができないものですが、当院は成田先生のご尽力があり、全国から時には海外から症例が集まる大変ありがたい環境です。
その中で私が経験させていただいた症例は、個々に異なる治療法が選択されており、どうしてそのような違いが生まれるのか疑問に感じたため纏めたところ、整理できたため発表するに至りました。
数例を纏めた発表であったため、はじめは発表時間を大きく上回る内容になってしまい、情報の取捨選択に難渋しました。
今回疑問に感じたのも、まとめてみようと思ったのも、成田先生より普段から熱意をもって解説しながらご指導いただけたことが大きく影響しています。
この場を借りて成田先生には厚く御礼申し上げます。
京都医療センターには、学術活動も精力的に行われている先生がいらっしゃり、その先生方の指導を受けられる機会は非常に貴重です。
京都医療センター の指導医の先生方は優れた臨床能力はもちろんのこと人格者ばかりですので、この報告を見てくださった研修医の先生や学生の方には、ぜひ一度 京都医療センター へ見学に来ていただきたいです。
今回の発表で学術活動の楽しさや手術に際しては細心の注意が必要であること、患者さんの訴えには真摯に耳を傾けることが大切であることを改めて認識しました。
今後も研鑽を積んで参りたい所存でありますのでご指導のほど宜しくお願い致します。