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2025年度 内視鏡技術認定(消化器・一般外科領域)合格について:安宅 亮先生

安宅 亮
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安宅 亮先生

卒年 2017年卒
所属施設 京都大学肝胆膵・移植外科 大学院(2026年5月時点)

今回、2025年度日本内視鏡外科学会技術認定医に、ヘルニア領域で合格することができました。折角の機会を頂戴しましたので、僭越ながら私の経験を寄稿させて頂きたく存じます。

ヘルニア手術は、若手外科医が比較的早い段階から経験する機会の多い手術です。実際に私も外科修練医の初期から腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)の勉強をさせて頂きました。
しかし当初はヘルニア手術に潜む落とし穴に気づいておりませんでした。

今回の技術認定取得までに、私が執刀したTAPPは約90例です。うち最初の40例で、誠に恥ずかしいことに、あらゆるヘルニア手術後合併症を経験しました(精管損傷、下腹壁動静脈損傷、再発、術後慢性疼痛、腹膜閉鎖部内ヘルニア等)。
良性疾患手術での合併症ということもあり、非常に落胆したことを覚えています。
同時にヘルニア手術をエキスパートから体系的に教えてもらう必要があると強く感じるようになりました。

ちょうどその頃、京大ヘルニアグループのオンライン勉強会(通称:RITAPP)へのお誘い頂き、すぐ参加させて頂きました。
RITAPPでは、自分の手術動画を参加者全員に見てもらいながら、担当の指導医からフィードバックをもらうことができました。それまで曖昧になっていた、内/外鼠径ヘルニアでの入り方の違い、鉗子やデバイスの使い方、層の連続性、組織への力のかけ方、運針の取り回し、カメラワークのポイント、等を一つずつ見直すことが出来ました。そして残りの50例では、RITAPPで学んだ基礎をすぐ実践へ反映することを意識しながら、修練を重ねました。
このような改善の積み重ねにより、後半50例では合併症ゼロを達成することができ、最終的に合格に至ることができました。

患者さんにとってヘルニア手術は、「再発なし、かつ術後疼痛なしを当然の結果として期待している手術」、だと思います。
そして執刀医が、「良性疾患手術であるがゆえの恐怖」、を認識することが、安全で確実な腹腔鏡下ヘルニア修復術を遂行する上で大切ではないかと考えております。

大それたことを述べましたが、私自身、提出ビデオにはまだまだ改善点が多く残されています。
今後も腹腔鏡手技の向上に努め、一歩ずつ精進して参りたく存じます。そして、これから技術認定医を目指してTAPPに取り組む先生方とともに、引き続き勉強させて頂けますと幸いです。
最後になりましたが、大津赤十字病院及びRITAPPにて御指導頂きました先生方へ、改めて深く感謝申し上げます。