外科治療の向上と優秀な 外科医 を育成する
一般社団法人京都大学外科交流センター
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2025年度 内視鏡技術認定(消化器・一般外科領域)合格について:安宅 亮先生

河合 隆之
正会員の声

河合 隆之先生

卒年 2007年卒

この度、日本内視鏡外科学会2025年度(第22回)技術認定審査(消化器・一般外科領域:ヘルニア)に合格することができました。
これまでご指導・ご支援を賜りました先生方、ならびに京都大学外科交流センターの皆様に、心より御礼申し上げます。

ヘルニア領域の技術認定審査は合格率が20%前後とされ、また同領域において複数名の技術認定医を輩出している施設は限られているのが現状です。
こうした背景のもと、施設の垣根を越えて腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術、特にTAPP法の技術向上を目指す取り組みとして、2021年に京都TAPP技術向上委員会(project RITAPP)が発足しました。

本委員会では、若手外科医、主に卒後3〜6年目の医師を対象とした技術向上プログラムが行われてきましたが、私自身も当時卒後15年目という立場で、技術認定取得を目標にこの取り組みに参加しました。
今回が4回目の受験であり、決して平坦な道のりではありませんでしたが、その過程で得られた学びは非常に大きく、今回の合格は多くの先生方のご指導と支えの賜物であると感じています。

技術認定審査における手術ビデオでは、安全で確実な手術手技が求められることはもちろんですが、それに加えて、受験者自身がTAPPという手術をどのように理解し、どのようなコンセプトのもとに手術を組み立てているのかが問われているように感じます。
特に、今後後進を指導していく立場を考えたとき、単に個々の手技を遂行できるだけでなく、TAPP全体を一つの手術としてどのように捉え、どのように再現性をもって伝えていくかが重要であると考えるようになりました。
振り返りますと、不合格であった3回の受験では、一つ一つの手技に意識が向くあまり、TAPP全体としての流れやコンセプトが見えにくい手術になっていたように思います。
剥離、メッシュ展開、腹膜閉鎖といった各操作を丁寧に行うことに注力する一方で、それらが一連の手術としてどのように連続し、どのような考え方に基づいて進められているのかを、十分に表現できていなかったのかもしれません。
そのような中で、施設横断的に多くの先生方のTAPPを学ばせていただいたことは、私にとって大きな転機となりました。
各先生方の手術には、それぞれの工夫や哲学があり、それらを学ぶ中で、少しずつ自分自身のTAPPのあり方を考えるようになりました。時間は要しましたが、さまざまな先生方からご指導いただいたことを自分なりに咀嚼し、実際の手術の中で、不完全ながらも自分が良いと考えるTAPPをある程度表現できるようになったことが、今回の合格につながったのではないかと考えています。

今回の経験を通じて、技術認定の取得は単なる到達点ではなく、自らの手術を見つめ直し、より安全で再現性の高い手術を追求するための貴重な過程であると感じました。今後は、私自身がこれまでに得た経験や学びを、これからTAPPで技術認定取得を目指す先生方に還元していきたいと考えています。
そして、一人でも多くの先生方が、私よりも短い期間で技術認定を取得できるよう、自施設での指導はもちろん、施設横断的な取り組みにも引き続き尽力してまいりたいと思います。

最後になりましたが、思うような結果が得られない時期にも温かく見守ってくださった寺嶋先生、田浦先生、粘り強くご指導・ご支援くださいました田中先生、戸田先生、壷井先生、磯田先生、岩村先生、そしてRITAPPという学びの場を継続して支援いただきました京都大学外科交流センターの皆様に、深く御礼申し上げます。
ありがとうございました。