外科治療の向上と優秀な 外科医 を育成する
一般社団法人京都大学外科交流センター
11:00~18:00(月〜金)

京都大学 小児外科セミナー2015年夏

小児外科セミナー2015年夏 症例報告

日赤和歌山医療センターより

  • 後腹膜腫瘍:
  • 16歳、腹部打撲時に撮影されたCTにて右後腹膜腫瘍発見。右副腎、8cm大、画像上、ganglioneuroma疑い。NSE正常。ホルモン検査も正常。画像フォローアップの方針。
  • 腸間膜リンパ管腫:
  • 4歳女児、仙痛。1歳時より右下腹部の腸間膜リンパ管腫あるいは成熟奇形腫を指摘されていた。仙痛にて受診。CTにて腸間膜リンパ管腫による小腸捻転の診断。緊急開腹術施行。上腹部腸間膜、空腸部分切除施行。

兵庫県立塚口病院

  • 十二指腸狭窄症:
  • 生後1ヵ月女児、36週4日で出生。生後より嘔吐多かった。1ヵ月時に造影検査にて診断確定し、腹腔鏡補助下十二指腸十二指腸ダイヤモンド吻合施行。
  • 十二指腸狭窄症:
  • 40週、3400gにて出生の21trisomy児。胆汁性の胃残にて紹介。レントゲンにて胃、十二指腸球部の拡張あり。十二指腸狭窄症の診断で、腹腔鏡補助下十二指腸十二指腸ダイヤモンド吻合施行。
  • 十二指腸狭窄:
  • 上部空腸閉鎖症、膜切除後。7ヵ月時に狭窄所見あり。嘔吐なし。Strictoplasty施行。しかし、術後も造影所見では改善乏しい。術前の拡張が残存していただけ?嘔吐がなかったのなら経過観察でよかった?上部空腸閉鎖症術後の屈曲は?
  • 精巣奇形腫:
  • 日齢30、右陰嚢腫大にて発見。精巣腫瘍核出術施行。
  • 上中咽頭腫瘍:
  • 2ヵ月男児、上気道狭窄音あり。上中咽頭腫瘤指摘。VMA,HVA上昇。MIBG軽度取り込みあり。まず、気管切開施行。経喉頭的に生検。Neuroblastoma, differentiating, lowMKI。化学療法施行中。

大津赤十字病院

  • 腹壁破裂:
  • 在胎16週時、腹壁破裂の診断。32週6日、1538gにて出生。脱出臓器は膜様構造物で覆われていた。膜様構造物と腹壁の間を切開し、ウンドプロテクターを用いてサイロを形成。2期的に腹壁閉鎖施行。術後1ヵ月で 灰白色便あり、閉塞性黄疸あり。

京大病院

  • 甲状舌管嚢胞:
  • 生直後より上気道閉塞症状あり。嚥下できず、喘鳴あり。挿管管理。舌根部に嚢胞性腫瘤あり。口腔内アプローチにて開窓術施行。現在再発所見なし。

倉敷中央病院

  • ヒルシュスプルング病類縁疾患:
  • 術中病理診断にてHypoganglionosisの診断。トライツ靭帯より45cm肛門側空腸に腸瘻造設。

ミニレクチャー

誰も教えてくれない小児外科第13弾「リンパ管腫」

中野こども病院小児外科 松川泰廣先生