総合司会
京都大学大学院医学研究科 小児外科 岡本 晋弥 先生
教育講演
『第2回 小児外科専門医取得に向けての小児外科講座』
京都大学大学院医学研究科 小児外科 岡本 晋弥 先生
症例報告
- ●嚢胞型腸管重複症:13歳男児。急激は腹痛で発症。CTにてメッケル憩室炎疑い。
- 腹腔鏡下手術施行。膿性腹水を認め、膿苔のある病変を含む回腸を切除して端々吻合施行。術後病理で腸管重複症の診断。異所性粘膜は認めず。
- ●Currarino症候群:4歳女児。便秘でフォロー中であった。
- 直腸肛門内圧検査は陽性であり、ヒルシュスプルング病は否定。直腸指診にて肛門狭窄を認め、ブジーを施行していた。10日排便なしとのことで受診した際、直腸診にて仙骨前面に腫瘤を触知し、CTにて仙骨奇形も認めた。仙骨前腫瘤は成熟奇形腫であり、Currarino症候群と診断された。
- ●メッケル憩室炎:日齢2。小腸閉鎖症疑いにて転院。
- レントゲンにて全体的な腸管ガスの増加、特に右側腹部に拡張を認めた。注腸ではMicrocolonは認めず。拡張ループが固定しているため、日齢3で臍部切開にて開腹。メッケル憩室を伴い、癒着による小腸色調変化と拡張を認めた。
- ●先天性胆道拡張症(戸谷Ⅳa):日齢18で哺乳不良、活気不良のため受診し、エコーにて総胆管拡張があり先天性胆道拡張症と診断されていた。
- 1歳時に腹腔鏡下胆道拡張症根治術施行。手術時間は5時間32分、4ポート+1パンクチャーで行った。
- ●先天性胆道拡張症(戸谷Ⅳa):1歳6か月時に一過性意識消失、高血糖を発症し、その際の精査で先天性胆道拡張症と診断。
- 症状との関連は不明。2歳時に腹腔鏡下胆道拡張症根治術を施行した。手術時間は3時間52分、4ポート、1パンクチャーで行った。 腹腔鏡下手術の際の膵内胆管の切除範囲は?
- ●腸間膜嚢腫:3歳男児。腹痛・発熱にて発症。
- レントゲンにてイレウス像あり。CTにて腹腔内に多房性嚢胞性病変あり。一部嚢胞内出血疑い。腸間膜嚢腫の疑いにて腹腔鏡下手術施行。嚢胞性病変は結腸間膜内に存在し、脾弯曲部結腸を合併切除した。術後病理診断も腸間膜嚢腫であった。 まず感染のコントロールを行ってからの手術でもよかったのでは?
- ●左副腎原発神経節腫:12歳女児。生検にて神経節腫の診断。
- 手術目的に転院。開腹腫瘍摘出術施行。神経節腫の手術適応は?