「雑題:ビデオクリニック」
明日から9月、再来週の8日には第10回セミナーが開催されるというこの時期に前回の概要報告をまとめるなど、仕事の遅さに我ながら呆れかえるばかりです。皆様、誠に、誠に申し訳ございません!
では、第9回京都肝臓外科セミナー(2012年2月25日(土))の概要を報告致します。
まだまだ春の足音も遠く、京都盆地の底冷えに身震いする中、97名の先生方にご出席いただきセミナーが開催されました。
今回はテーマを特に設けず、「雑題:ビデオクリニック」として、症例毎に手術手技についてクリニックしましょう、という趣旨としました。全9題、過去のセミナーに比べて随分若い世代の先生方から発表して頂いたのは嬉しい限りでした。
プログラムとしては以下のように3部構成として、各々のセッションを平成2~4年卒の次世代の先生方に仕切って頂いて、hotな(時には熱すぎて大火傷をする人もいるくらいの?)discussionで盛り上がりました。(以下、敬称略)
第1部「右葉系切除」
ディスカッサント
●社会保険奈良病院 藤井 英明(H4卒)
●倉敷中央病院 安近 健太郎(H5卒)
1.「大学病院での修練-肝右3区域切除を例に」
●京都大学肝胆膵・移植外科 石井 隆道(H10卒)
2.「後期研修医3年目医師が行った転移性肝癌に対する右葉切除の一例」
●神戸市立医療センター中央市民病院 日下部 治郎(H19卒)
3.「HCCに対する右尾状葉切除」
●神戸市立医療センター西市民病院 仲本 嘉彦 (H6卒)
第2部「腹腔鏡下肝切除/肝解剖/デバイス」
ディスカッサント
●天理よろづ相談所病院 古山 裕章(H3卒)
●福井赤十字病院 土居 浩司(H4卒)
1.「若手外科医による腹腔鏡補助下肝切除術の導入への試み」
●杉田玄白記念公立小浜病院 木口 剛造(H17卒)
2.「右胃大網動脈を用いた冠動脈バイパス術後の肝細胞癌に対して肝外側区域切除術を施行した1例:周術期評価と手術におけるKnack and Pitfall」
●社会保険小倉記念病院 前川 久継(H18卒)
3.「LigaSure Small Jaw を用いた肝切離の経験」
●島根県立中央病院 久保田 豊成(H18卒)
第3部「系統的肝切除」
ディスカッサント
●三菱京都病院 尾池 文隆(H2卒)
●市立岸和田市民病院 古元 克好(H4卒)
1.「当科における系統的肝切除の工夫」
●大津赤十字病院 余語 覚匡(H20卒)
2.「定型的前区域切除術」
●京都桂病院 西躰 隆太(H4卒)
3.「グリソン進展を伴った大腸癌多発肝転移に対する肝切除術」
●京都医療センター 小木曾 聡(H14卒)
このセミナーも9回を重ね5年が経過し、各施設、各先生方の肝切除に対する意識や技術も大きく変容したようです。かつては大学や一部の関連病院でしかできなかった術式が、普通の規模の病院で、しかも鮮やかな手付きで行われているビデオを拝見すると、「このセミナーの存在意義は高かったんだなあ….」と感慨にふけるとともに、「まだまだ若手には負けられない、より一層精進や!」、と決意を新たにした次第でした。
次回は第10回記念大会、テーマは「肝切除を伴う胆道癌」です。北海道大学第2外科の新教授に就任された平野聡先生の基調講演もプログラムに入れています。 多数の先生方のご出席を心よりお待ちしております。
(文責:田附興風会北野病院 寺嶋宏明)