外科治療の向上と優秀な 外科医 を育成する
一般社団法人京都大学外科交流センター
11:00~18:00(月〜金)

第12回京都肝臓外科セミナー

開催日時
開催場所
メルパルク京都
参加人
91名
当日プログラム
PDFプログラム
詳細

テーマ

「肝切除術における術者・助手の役割」

報告

◆第1部 「若手外科医の視点から」 15:25~16:25

【ディスカッサント】
京都大学肝胆膵移植外科 安近 健太郎
神戸市立医療センター西市民病院 仲本 嘉彦

1.「開腹・腹腔鏡手術における肝切離手技上の術者・助手の役割」
三菱京都病院 中内 雅也(H18 卒)
2.「腹腔鏡下外側区域切除における術者、助手の役割-系統切除に必要なテクニックの習得に向けて」
京都桂病院 濱洲 晋哉(H9 卒)
3.「肝右葉切除における術者・助手の役割:若手外科医の視点と指導的助手の役割を中心に」
小倉記念病院 多田 誠一郎(H18 卒)
4.「意外に大事な第二助手」
国立病院機構京都医療センター 成田 匡人(H11 卒)

◆第2部 「指導医の視点から」 16:35~17:15

【ディスカッサント】
神戸市立医療センター中央市民病院 貝原 聡
岸和田市民病院 古元 克好

1.「定型手術を確立していくうえでの工夫~術者と助手の能力を最大限に発揮するには」
天理よろづ相談所病院 古山 裕章(H3 卒)
2.「右肝静脈~IVC腫瘍栓を伴いIVC・中肝静脈根部を圧排する巨大肝腫瘍手術における 術者・助手の役割:IVC・肝横隔膜静脈処理を中心に」
高松赤十字病院 廣瀬 哲朗(S63 卒)

総括

第12回京都肝臓外科セミナーの報告をいたします。

残暑厳しい9月の京都に、91名の先生方にご出席いただきました。多くの関係者の方々のご協力をいただき盛会のうちに本セミナーを終了することができましたこと、まずはこの場をお借りして御礼申し上げます。

まずシンポジウムに先立ち、西神戸医療センターの石井隆道先生より、「肝中央切除術における胆汁漏の現状についての多施設共同前向き研究」に関する中間報告をいただきました。ご承知のように、当セミナーからの最初の多施設共同研究であり、倫理委員会の承認を経て各施設とも準備を整えつつある状況ですので、引き続き多くの施設のご協力をいただけますようよろしくお願い申し上げます。

続いてシンポジウムですが、今回のテーマは、「肝切除術における術者・助手の役割」というテーマで各施設からの発表をいただくことといたしました。まず第一部では「若手外科医の視点から」というサブテーマで、4人の若手・中堅の先生方より発表いただきました。腹腔鏡手術と開腹手術の両方の視点から、肝受動時、肝門部処理、肝実質切離時における術者・助手のそれぞれの役割につき、特に若手が術者になる場合の注意点及び指導者として配慮すべきことなどを中心に議論いただきました。続きまして第二部では、「指導医の視点から」としてお二人の指導医クラスの先生方よりご発表いただきました。天理よろづ相談所病院の古山裕章先生には、肝切除にチームとして取り組む体制づくりに始まり、術式の定型化をすすめていきつつ肝切除の手技を若手に指導するための指導医としての役割を施設の経験にもとづき発表いただきました。最後に高松赤十字病院の廣瀬哲朗先生には、IVC腫瘍栓を伴う巨大肝腫瘍の切除において、術者・助手の役割・協調性の重要さを貴重なビデオを通して発表いただきました。

各施設ともテーマに沿って高いQualityの手技をきれいなビデオで供覧いただきました。ただ、後半部分では指導医クラスの先生方からの貴重な発表であり内容も充実しておりましたが、テーマである術者・助手の役割につきもう少し時間をかけて議論ができればさらによかったのでは、と司会者の立場から反省しております。貴重な発表をより深く議論し充実した会にしていけますよう、次回からもさらに努力してまいりたいと思います。

さて、次回第13回の開催日は平成26年3月1日(土)(会場:メルパルク京都)、テーマは「大腸癌肝転移の切除-意外に難しい深部小病変」です。次回は同門の先生方からの発表に加え、特別講演として最近大腸癌肝転移の外科治療分野で活躍いちじるしい横浜市立大学の田中邦哉先生にご講演いただく予定です。これからも楽しくかつ有益なセミナーにするべくいろいろと企画していきたいと思います。ご出席/ご参加の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

(文責:小倉記念病院 藤川貴久)