一般社団法人京都大学外科交流センター
11:00~18:00(月〜金)
京都大学小児外科セミナー2014年春
- 開催日時
- 2014年4月18日
- 開催場所
- 京都大学医学部附属病院第2臨床研究棟8階セミナー室
- 参加人
- 17名
- 当日プログラム
- PDFプログラム
- 詳細
症例報告
兵庫県立塚口病院
- ・空腸狭窄症:
- 胎児期より胃十二指腸の拡張を認めた。羊水過多なし。上部空腸狭窄の疑い。38週、2074gにて出生。日齢2に臍部弧状切開をおき、腹腔鏡補助下小腸小腸吻合を行った。
静岡こども病院
- ・食道アカラシア:
- 14歳。抗けいれん薬内服中。体重減少あり。流動食しか摂取できず。上部消化管造影にて食道アカラシアの診断。食道内圧検査にて同期性異常収縮は認めるが、経口摂取時の弛緩なし。食道ブジー施行するも無効。腹腔鏡下(6port)にHeller Dor手術施行。
- ・リンパ管腫:
- 気道圧迫症状あれば切除もFirst choiceになりうる?
京大病院
- ・肝前性門脈圧亢進症:
- 6歳。著明な脾腫、血小板減少、食道静脈瘤あり。肝内門脈低形成あり。肝機能は良好。脾摘・血行郭清(Hassab手術)施行。
- ・胆道閉鎖症:
- 10ヵ月。葛西術後一旦減黄したが、再度黄疸悪化認めたため、再掻爬施行。その後、胆管炎持続し、肝内多発嚢胞出現し当院紹介。CTにて肝外門脈指摘できず。生体肝移植へ。
大阪赤十字病院
- ・肛門重複症:
- 6時方向に瘻孔あり。肛門管重複症は内胚葉由来、肛門重複症は外胚葉由来、扁平上皮。摘出術施行。
倉敷中央病院
- ・CIIPS:
- 開腹手術既往複数回あり。病理でクローン病様所見あり。残存CVルートは1本のみ。今後、クローン病の関連に関して精査を行い必要があればその治療を。改善なければ小腸移植の適応。
滋賀県立小児保健医療センター
- ・腸回転異常症術後嘔吐:
- 重症心身障害児、20kg、15歳。経口摂取は可能。
ADH/ACTHの上昇あり、周期性嘔吐症候群の診断。造影にて十二指腸の蛇行・屈曲あり。手術適応は?
- ・特発性小腸軸捻転術後:
- 重症心身障害児、11歳。半年前に中腸軸捻転にて大量小腸切除術施行。現在、十二指腸水平脚で盲端となり、S状結腸以下が残存。イレウス管から1500ml以上の排液あり。十二指腸・S状結腸吻合の適応は?
ミニレクチャー
「小児のペニス」
大阪赤十字病院 小児外科部長 松川泰廣先生
- 嵌頓包茎:腹痛で来院。包皮をひっぱるのではなく、亀頭を押し込むように整復。
- 包茎:ストレッチ療法でほぼ治る。生下時よりむけている児は尿道下裂の可能性。
- 包皮炎:1歳半以降でおこる。包茎であることよりも汚い手で触ることが原因?
- 恥垢:包皮がめくれてくると自然に脱落する。無理に取ると出血し、瘢痕の原因。
- 埋没陰茎:文献的には手術適応。ストレッチのみで陰茎は長く見えるようになる。
- BXO:(Baranitis Xerotica Obloterance)包茎の手術適応はこれのみ。尿閉になることもある。包皮の内板が慢性炎症で癒着したもので、翻転できない。包皮口と尿道口の位置がずれる。
- 外尿道口嚢腫:手術切除必要。
- 包皮嚢腫:手術切除必要。