2025年12月6日(土)、令和7年度 京都大学外科冬季研究会をTKPガーデンシティ京都にて開催いたしました(WEB参加含む158名)。
京都大学外科教室が中心となる、今年最後の研究会として、大変多くの先生方にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。
年末のご多用の中、ご参加いただきました先生方に、この場をお借りして御礼申し上げます。
プログラム前半では、全国各施設で研鑽を積む若手医師8名が登壇し、尾側膵切除術の工夫、低心機能患者の緊急手術、Hybrid ER Systemを活用した重症肝損傷診療、十二指腸穿孔の術式検討など、各施設での臨床経験に基づいた濃密な発表が行われました。
会場では活発な質疑応答が続き、「若手がここまで語れるのか・・・」と指導医の先生方は驚かれるほどの熱量のあるディスカッションが展開されました。
8名の若手医師による最新の知見だけでなく、手術戦略・周術期管理への向き合い方、専攻医が主体となる診療体制など、各施設の教育文化が伝わる内容で、参加者からは多くの刺激を受けたとの声が寄せられました。
そして気になる優秀演者の結果は・・・
| 氏名 | 卒年 | 所属施設 | 演題名 | |
| 金賞 | 工藤 悠真 | R05 | 小倉記念病院 | 低心機能の重症患者に対する緊急手術から得られたこと〜外科専攻医1年目の経験症例から〜 |
| 銀賞 | 福島 多佳宏 | R05 | 宇治徳洲会病院 | Hybrid ER Systemを活用した重症肝損傷に対する外傷初期診療 |
| 銅賞 | 髙島 堯 | R03 | 神戸市立医療センター西市民病院 | 当院におけるストマ脱に対する砂糖療法と腸管腹壁固定術の実践と課題 |
見事、受賞された先生方おめでとうございます!引き続き、発表演題の論文化を目指してください。
後半のレクチャーでは、京都大学肝胆膵・移植外科の長井和之先生・石井隆道先生より、「肝胆膵手術の進化~特殊光とエナジーデバイスによる新たな安全戦略~」が講演され、手術安全性向上のための最新技術の臨床的意義が紹介されました。
高度な肝胆膵手術を安全に実施するために、デバイスの特性をいかに理解し、手技として昇華させていくか――
京大外科ならではの深い示唆に富む内容となりました。

令和六年度の優れた学術活動をたたえるため、施設表彰・個人表彰・論文化表彰が行われました。
| 学会発表団体戦:1位 | 病院名 | 施設外科代表者 |
| 大規模病院 | 倉敷中央病院 | 河本 和幸 |
| 中規模病院 | 小倉記念病院 | 藤川 貴久 |
| 小規模病院 | 市立長浜病院 | 高折 恭一 |
| 英語論文(査読有)団体戦:1位 | 病院名 | 施設外科代表者 |
| 大規模病院 | 神戸医療センター中央市民病院 | 貝原 聡 |
| 中規模病院 | 平成紫川会小倉記念病院 | 藤川 貴久 |
| 小規模病院 | 阪和記念病院 | 橋田 裕毅 |
| 総合ポイント団体戦:1位 | 病院名 | 施設外科代表者 |
| 大規模病院 | 医学研究所北野病院 | 寺嶋 宏明 |
| 中規模病院 | 平成紫川会小倉記念病院 | 藤川 貴久 |
| 小規模病院 | 市立長浜病院 | 高折 恭一 |
| 小規模病院 | 阪和記念病院 | 橋田 裕毅 |
| 順位 | 氏名 | 所属 |
| 学会発表個人戦:1位 | 山本 健人 | 医学研究所北野病院 |
| 学会発表個人戦:2位 | 畑 啓昭 | 京都医療センター |
| 学会発表個人戦:3位 | 長山 聡 | 宇治徳洲会病院 |
| 学会発表個人戦:3位 | 濱口 雄平 | 大阪赤十字病院 |
| 学会発表個人戦:3位 | 武藤 純 | 倉敷中央病院 |
| 順位 | 氏名 | 所属 |
| 英語論文個人戦:1位 | 原田 渓 | 平成紫川会小倉記念病院 |
| 英語論文個人戦:2位 | 山本 健人 | 医学研究所北野病院 |
| 英語論文個人戦:2位 | 森野 甲子郎 | 天理よろづ相談所病院 |
| 順位 | 氏名 | 現所属 |
| The Highest Impact Factor賞 | 藤川 貴久 | 平成紫川会小倉記念病院 |
| 順位 | 氏名 | 所属 |
| 戸部隆吉賞 | 石川 佳奈 | 神戸市立医療センター西市民病院 |
| 順位 | 氏名 | 所属 |
| 論文特別賞 | 野村 勇貴 | 宇治徳洲会病院 |
| 論文特別賞 | 原田 渓 | 平成紫川会小倉記念病院 |
| 順位 | 氏名 | 所属 |
| 優秀英語論文 | 石川 佳奈 | 神戸市立医療センター西市民病院 |
京大外科は「若手が挑戦し、結果を残し、仲間と共有する場」を大切にしており、今回の表彰はその象徴といえるものです。
本研究会は “若手外科医が最も成長する瞬間が見える研究会” として年々参加者が増えています。
今回も、8名の若手医師による真摯な発表と熱い議論、そして京大外科の知と技術を共有するレクチャーにより、今年を締めくくるにふさわしい会となりました。
ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。今後とも京都大学外科冬季研究会をよろしくお願い申し上げます。