外科治療の向上と優秀な 外科医 を育成する
一般社団法人京都大学外科交流センター
11:00~18:00(月〜金)

京都大学 小児外科セミナー2015年秋

開催日時
2015年11月15日
開催場所
京都大学医学部附属病院第2臨床研究棟8階セミナー室
参加人
当日プログラム
PDFプログラム
詳細

小児外科セミナー2015年秋 症例報告

兵庫県立尼崎総合医療センター

  • 毛髪胃石:
  • 6歳女児。腸閉塞症状で発症。臍部切開、腹腔鏡下に小腸内の毛髪胃石を十二指腸内へもどし、胃内の胃石とともに内視鏡的に可及的に除去、胃内に残存あり。溶解目的にプロナーゼ、重曹を投与。
  • 中腸軸捻転:
  • 3歳男児。嘔吐後の意識消失、昏睡。腸回転異常を伴わない中腸軸捻転。捻転解除、横行結腸切除、人工肛門造設施行。術後CHDF施行。現在、下痢は強いが全身状態は良好。
  • 腸管穿孔:
  • 1歳女児。吐血。2日前より水様下痢、発熱あり。ノロウイルス陽性であった。CTにてfree airあり。腹腔鏡下十二指腸潰瘍縫合閉鎖術、大網被覆施行。

北野病院

  • 左精巣上体炎:
  • 4ヵ月男児。膿尿、左陰嚢腫大。USにて左腎欠損、左膀胱左側に嚢胞性病変あり、内部鏡面像あり。MRIにて左精嚢嚢胞、左射精孔開大、左異所性尿管開口、左尿管拡張あり。以上よりZinner症候群と診断。CTにて正中に左無機能腎あり。腹腔鏡下左腎、左尿管切除、左精嚢部分切除施行。摘出標本の病理にて腎組織なし。今後、精巣上体炎の再燃に注意して経過観察の方針。反復する精巣上体炎の患児に尿路系の精査は必要か?
  • 卵巣捻転疑い:
  • 15歳女児。腹痛。CTにて骨盤腔に嚢胞性病変指摘。卵巣捻転疑い。MRIにて両側卵巣を確認。腹腔鏡手術を施行したところ、右付属器捻転あり。術中診断では卵巣水腫。視野確保のために開窓術施行。卵巣奇形腫の可能性は?開窓術でよかったのか?
  • 腸重積:
  • 9歳女児。嘔吐・腹痛。CT、USにて小腸小腸腸重積の診断。単孔式で腹腔鏡手術施行。回盲部から320cm口側の腸間膜対側に嚢胞性腫瘤あり。小腸部分切除施行。病理にてMyoepitheralHamartomaの診断。小腸壁に迷入した異所性膵組織から発生するが、正常膵管組織は認めないことが病理的特徴。

大阪赤十字病院

  • 急性巣状細菌性腎炎:
  • 7ヵ月女児。反復する細菌性尿路感染3回、膿尿2回。VUCGにてVURなし。CTにて水尿管なし、右腎下極で造影不良域あり。急性巣状細菌性腎炎の診断。VUCGの再検等で原因精査予定。尿路感染と断定してよいのか?
  • 膵炎:
  • 14歳男児。アスペルガー症候群。繰り返す膵炎、腹痛あり。Amy、Lipase上昇あり。T-Bi上昇なし。CTにて膵頭部腹側に異所性膵を疑う腫瘤性病変有り。膵管蛇行による蛋白栓の可能性は?家族性膵炎の遺伝子検査は?EUSの精査にて異所性膵かどうかの精査必要。

兵庫県立こども病院

  • 異物誤飲:
  • 11ヵ月男児。コイン型リチウムボタン電池誤飲。食道胸部入行部に停留。10時間で内視鏡行い除去。内視鏡にて食道全周の潰瘍指摘。その後、気管と瘻孔形成。NG栄養にて経過観察中。週1回の内視鏡で評価を行っており、食道狭窄はあるが、気管食道瘻は閉鎖した。隔週でブジ-施行中。

日赤和歌山医療センター

  • 臀部腫脹:
  • 28歳男児。2ヶ月時に脳外科にて仙尾部腫瘤性病変の切除術施行。
    今回、右臀部に強い臀部痛あり。CTガイド下に穿刺。穿刺液はAmy高値。病理ではTailgut Cystと診断。仙尾部奇形腫では?
  • 腹部外傷:
  • 10歳男児。腹部打撲。転倒時、鉄板にて腹部を強打。救急外来受診時、血圧低下あり。急速輸液には反応した。CTにて肝損傷。IVRにて右肝動脈、中肝動脈をスポンゼルで塞栓。腹腔内血腫に対して入院4日目に腹腔穿刺施行。1400mlの血性腹水あり。その後、退院。再出血の可能性に対して最低
    2週間の経過観察が必要では?
  • 胃拡張:
  • 6歳男児。21トリソミー。嘔吐あり。現在体重10.4kg。乳児期の上部消化管造影で幽門の通過障害を指摘。USにて肥厚性幽門狭窄症の定義は満たさず、アトロピンのみ少量投与された。今回の上部消化管造影では十二指腸への通過を確認できなかった。上部消化管内視鏡検査必要。もしくはUSやCTを親が受診させないのは、虐待疑いないか。
  • 十二指腸閉鎖症:
  • 生後2日目、十二指腸十二指腸ダイヤモンド吻合術施行。術後8日目より灰白色便。術後18日目T-/D-Bil 4.8/1.5、γ-GTP 167。長期化するなら胆嚢穿刺造影、洗浄は?

京大病院

  • 肝芽腫転移に対するICGを用いた検出法:
  • 肝芽腫転移はICG 0.5mg/kgを事前に静注し取り込みを確認することで転移の有無を検出できる。
  • 7歳女児、腹部大動脈周囲リンパ節腫脹、PET陽性、であったため、リンパ節転移疑いに対してICG投与し、取り込みがあったため切除したが、悪性所見なし。
    6歳男児、右葉切除後の断端再発もしくは腹膜播種疑いに対してICG投与し、取り込みを認めたため切除したが、悪性所見なし。陰性が続いたためどのような病変が擬陽性になるかの評価が必要か。

倉敷中央病院

  • 胃破裂:
  • 4歳男児。無脾症候群。VSD、開心術後(グレン術後)。胃捻転より胃破裂をきたし、手術時にはショック状態。胃大弯に胸筋層断裂あり。術後7日目に永眠。無脾症候群は胃捻転起こしやすいとされる。NGチューブ挿入困難な場合には緊急胃瘻造設が必要か?予防的胃固定の適応は?

ミニレクチャー

「胆道閉鎖症研究会報告」

兵庫県立こども病院 小児外科部長 横井暁子先生

  • 便色カラーカードの有用性は?
  • 遺伝子解析の進展は?
  • 再手術の適応は?
  • 葛西手術の腹腔鏡手技に関しては?
  • 葛西術後の低身長に対する治療は?